《第2部・第1章》

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『あの時には言わなかったけど、あの薄汚れた格好を見ればあなた達が何をしていたかがわかるわよ、掃除?』『成り行きで』 『成り行き!?だからあなた便利屋さんなんてあだ名をつけられるのよ』 『わかってます。だけど…私…藤永さんが困ってるのを見て、手伝いたいって思ったんです』 『あなたの意思ね(ため息)まぁいろいろまた話しましょ』 そう言って電話は切れた。 また1週間が始まりを告げるように1時間目のチャイムがなる。 この週末私に変化があったように、目だちめ女子もバイトが決まった、と休憩時間騒いでいた。 『食べに来なさいよ、もちろん3人以上でね』 そう言ってバイトが決まった事をアピールしていた。 夕方の女子トイレ、頼まれ掃除を私はしていた。 『バイトってティーンズ横のマクドらしいよ』『冷やかしに行こうよ』って話してトイレを後にする声を聞きながら私は掃除を続ける。 マクド好きだけど今度からロッテリアにしよう…日常、頼まれ掃除をする私…ため息をつく。そして、家がホッとする。 家がホッとするって、友達や彼氏がいたら…まずまず言わない、思わないセリフだね… 家が落ち着くとは言うけれど… 夕食後、部屋に上がりテレビを付け何気なく見たテレビに見いってしまった私。お笑いタレントがお宅訪問をして夕食をご馳走になる番組らしい。 2時間終わりまでテレビの前でジッとしていた。 次の日の放課後、目だちめ女子2人が『あたし達バイトなのぉ、教室の掃除よろしくねぇ(笑)彼氏のプレゼント費用なの』って私の机の前でマクドの制服をバッグからチラッ見せし、高らかに笑いながら出ていく。 口をキュッと噛み締めながら私は掃除を始めてく。 夕陽が沈む頃、私はバスから降りてふいに昨夜見たテレビの影響か、本屋の《家に関する雑誌コーナー》で足を止めた。 ありとあらゆるインテリアと収納の写真のみの雑誌を私はパラパラとめくった。 私の中で何か芽生える感情がその時から始まったのかも知れないーーー。 だけど、今の私からはただ本を見る感覚しかわからなかった。
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