《第2部・第1章》

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松本さんに対して嫌いな感情が…って思っていたのに、私は今なんで言うとうりに車に乗り行きたくないマクドに向かっているの? 『松本さん、降りまーー』『降りて歩くの?バス停までまだ先よ』 黙る私をチラッと見て。 『逃げるの?あの人達がいる限りあなたはマクドには行かないの?』 私は答えにつまり両手をグッと握った。 『なるようにしか、ならないから』 もうすぐマクドだという交差点、赤信号で止まった際に松本さんは手帳にはさんだメモを私に渡しこう言った。 『このメモのとうりに注文してね、後あなたの好きなセットは何?』 『ベーコンレタスバーガー』 『じゃ、それで決まりね』 私はメモを左手に持ちながら、マクドの店内に入り列に並んだ。昨日よりか、ごった返した店内はやっぱり10代が多く20~30代のOL・主婦も混ざっている。 松本さん!私は振り向いて松本さんの位置を確かめホッとした、私の後ろに居てくれた! 松本さんは携帯のメールを短く打って送信してる、余裕だなぁ~… やはり昨日と同じ光景らしく、目だちめ女子のレジはもたついて列を並び替える客が多くいた。その度に『チッ』と舌打ちし、指導員に怒られていた。イライラしてるのか顔つきが怖い… もう1人の目だちめ女子も店内清掃の作業が間に合わず、中学生~高校生の客から『ちょっとテーブル掃除してないじゃん』にイスをガッと蹴飛ばし客を睨みつつテーブルを拭いている。 私こんなとこ居たくないっ!目をギュッと閉じた時に何処からか声がした。 『便利屋じゃん、掃除終ったのぉ?えらく早いけど真面目に掃除しなきゃあ(笑)』『こんなとこで寄り道だってぇ~(笑)』『来んなよ、うぜぇ』 私は下を向き両手を握りしめた。後ろから誰かが左手首をギュッとつかむ感触がし、振り向くと松本さんだった。さっきはしてなかったグラサン、けどグラサンしてると明るめの茶髪と相まって迫力がある。 『吉井美和っていう名前忘れたのかしら?ちゃんと名前呼ばなきゃね~』 ハッとして私は松本さんを振り向いたーーー。 『何?あのババア!』『便利屋の何もの?』『気にしない気にしない、マクド不味くなるっしょ』『無視無視』 顔色をかえた松本さんに私はハラハラした。
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