《第2部・第1章》

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『メガネが出来る間に店から出たのは、この為に?』『時間もなかったからそこのティーンズでパッと選んだだけなんだけどね、着てる制服に似合うかと思って。チョコレートはそこのタイソーね』 『わざわざ…ありがとうございます』 松本さんは嫌いだけど私の為に買ってくれた事に涙が出そうになる。 『泣いて良いのよ、何かあったんでしょ』 『………』 黙る私をチラッと見てため息をつき『まぁ良いわ』とつぶやいて、帰宅ラッシュの渋滞する国道の中に車を進めてく。 『チョコレート全部食べて良いのよ、あなたのだから。喋りたくなったらいつでも来なさいね』 『…』 涙が落ちそうで…うなずく事しか出来なかった私。 『チンタラ走ってるわねぇ…帰宅ラッシュの渋滞は仕方ないわね』 その帰宅ラッシュは国道から住宅地に入る時も続いてたが、住宅地に入ると少し加速させて通行人に注意を払いながら家に向かう。 家の前で停まると『いつでも喋りたくなったら来なさいね』と言って車内ロックを解除してくれた。家の玄関でお母さん・お父さん・お母さんに抱っこされたミロが心配そうに…けど松本さんのピンクの車と降りてきた私を見てホッとしたようだ。 『美和っ!心配したのよ』『美和、いったい今までどこに…』 普段は穏やかな2人がビクッとするくらいの剣幕で喋りかけてくる。
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