《第2部・第1章》

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マクドの駐車場とはいえ店からだいぶ離れた場所に車は停めてあり、車の側までくるとお父さん・お母さんが『美和を守ってくれてありがとうございました』と頭を下げマクドのお礼も言い、佐々木さんも乗せて2人の勤務先のスーパーまで向かうのを見送る。 『先生いつもご馳走になってすみません。けど、今日はえらく安上がりですね』私の知らない3人っていう方々は、松本さんのアシスタントでおしゃれに決めて雑誌のモデル並みに細い女性2人と男性…言った男性に松本さんは『マクドたまには食べたくなるでしょ』と言い私を紹介してくれて顔を赤くしながらも私は『来て下さってありがとうございました』と頭を下げた。アシスタントら3人は、先程の一件にはふれずに『よろしくね』とにこやかに言い、車に乗りみんな片手を上げありがとうの合図をし帰っていく。 藤永さん・菊地さん共々お礼を言い車の中で食べ始めたようだ(笑)藤永さんは漫画のスクリーントーン買い溜めに、菊地さんはかつおぶしの買い溜めだそうだ。 松本さんに促され私は車に乗った。『あたし達も車内で食べようか』と言い松本さんは細い体型なのにビッグマックを選んだみたい。『冷めると不味くなるわよ』と、食べなさいと促す。 今日のベーコンレタスバーガーはいろんな事が思い出され、松本さんに助けられ…普段よりか美味しく感じた。 『寄りたい場所あるなら、行くわよ?なかったら送ってくけど』 『……うん』 『気乗りなさそうね。じゃあ、付き合いなさい』 と車のエンジンをかけ右折し家とは逆の隣街へと向かってく。 『何処へ?』 『ちょっと仕事の資料探しにね、ここより大きな本屋さんに用事があるのよ』 『じゃあ、私を家まで送ったらまた戻るはずだったんですか?』 『そのつもりだったけど』私はその優しさに《嫌いな感情》は消え去っていくのを感じた。もっとも、マクドでは松本さんだけを頼りにしていた事を思うと嫌いな感情は、左手首を握られた時から消えたのかもしれない…ーーー。
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