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酒くさい男性は【警察が来るわよ】の叫び声に反応し美和を突飛ばし、ヨロヨロしながら人とぶつかりながら全速力で走り去った。
警察!?私ヤバくない?
突飛ばされ道路に手をついて情けない私だけど…補導されやしないかと心配した(焦)。
『こんなところでウロウロしてちゃさっきみたいな目に遇うわよ』
『!!』
顔をあげると松本さんだった。嫌いとはいえ…助けてもらってホッとしたーーー。
『松本さん…』
『画材店の向こうにいたらあなたを見つけてつけてきたのよ。…ったく、危なっかしいっ!バカじゃないの?あなた』
『バカバカって言わなくても…―』
『さぁ、立って。帰るわよ』
松本さんは私に手を差しのべ…差し出した手をきゅっと握ってくれた。
『画材店よりかハンドクリーム買った方が良いじゃない?あれてるわよ』
『(恥)持ってます、だけど掃除ばかりしてるとこんなカサカサになるんです』
松本さんの手から手を離そうとした…
『迷子になりたいのなら別に構わないけど?』
仕方なく私は松本さんの手を握りかえす。
本通り近くに駐車場があったなんて知らなかった。料金カードを入れ清算し…車に行き手招きする松本さん。この車に乗るのも2度目になる…2度ある事は…もう1回私はこの車に乗るのだろうか。
駐車場から器用なハンドルさばきで国道に出て渋滞の中に入ると…松本さんは車のホルダーから私にオレンジジュースをくれた。
『画材店…何がいるの?』『原稿用紙少し足りなくて』
『となりの藤永さんが漫画家だから持ってるんじゃないの?』
『そんな…悪いです』
『画材店…原稿用紙売り切れだったんじゃないの?当たりよね。買えてたらすぐ帰るつもりだったんでしょうに』
『あっ(焦)そういえば…警察を呼んでもらってすみません』
『嘘よ(笑)あの酒くさい男とケンカしても良いけど…あたしの顔にキズをつけたくないから(笑)要は頭を使わなくちゃ(笑)』
『嘘っ?』
『そう』
頭の回転が速い人なんだと感心する…―
『あり、ありがとうございました』
『この間といい、あなたって危なっかしいのよ。たまたまあたしが助けてあげたから良いものを…あんなとこで夜歩くんじゃないわよ』
恥ずかしさ、悔しさ、だけど感謝…感情が交差する。けどあの状態だから…感謝かもしれない。
『ありがとうございました』
『あなたは危なっかしいのよね(苦笑)』
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