《第2部・第1章》

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『危なっかしい?』 『そうよ、自分で気付いてないの?手におえないわね(ため息)』 『私なんて掃除を頼む以外は誰も…』 『掃除?あぁ、学校の』 ハッと気づき私はこれ以上余計な事を喋らないよう、口を押さえた。 『気持ちしんどい子ねぇ、溜め込んでるとストレスばかりになるわよ』 『私は子供じゃありません』 『あたしから見たら子供よ、危なっかしい子供』 金曜日の渋滞は特にひどくノロノロと走ってた車の列はピタリと停まる、赤信号らしい。 『帰りが遅くなるわね、連絡した方が良いみたいよ』それもそうだ…と私はお母さんの携帯にかけ事の成り行きを話し『松本さんと一緒だから』と電話を切る。 『そういえば…何であの辺りに居たんですか?』 今更ながらの疑問だった。『雑誌の仕事の帰りに本通りに寄ったのよ。朝早くから撮影でスタイリストのあたしも朝が早かったのよ』『じゃあ、お母さんと会ってないんだ?』 『お母さん?何時くらいか知らないけど会ってないわ。あたしが部屋を出たのって早朝だし薄暗かったわ』『そうなんだ』 何か何処かで見た情報にひっかかる感じがしていた。 ノロノロ渋滞からやっと抜けて加速する松本さん。 家の前にはLEDの照明がピンクの車が停まるとパッと付いた。電話をしていた事と松本さんと一緒って事で…お母さん・お父さんも前みたいに家の前じゃなく、家の中で待っていたらしい。ブレーキの音が軽くしただけで家の中から出てきた。
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