第1章

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私の瞳から心が溢れていた。 悲しみよりも深い絶望。 窒息しそうな、冷たく冷え切った心。 心が死んでいただろう、お隣りさんの冬樹が居なければ。 私が物思いに沈んでいたのに、冬樹と云う隣人は相変わらず頭を捻っていた。 私が尋ねた馬鹿げた質問に、冬樹氏は生真面目に考えてくれる。 「『秋の味覚』かあ~、何だろう?」 「松茸! は当然入るだろ~。 後は何があったかなぁ」 そんな姿を見ながら、少しずつ心が静かになってゆく。
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