第1話

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「大変だったんだよーもー。男だけど美人だって言ったらてんちょーがどうしても見たいって言うからー」 その言葉にピシリ、と体が強張った。 「写メでもいいっててんちょー言ってくれたのにこいつ写メらせてくれないんだもん」 「もんとか言うな可愛くない。だいたいお前そんなこと一言も言ってなかったじゃないか」 「そーだっけ」 「そうだ。それと美人て言われるのは嫌いだって何度も「あーごめんごめん。まぁそう怒るなって。誉め言葉なんだし」 わなわなと唇を震わす俺を適当に丸め込もうとするその姿勢が余計に癇に触り、怒りが心頭しそうになったところを理性で抑え付ける。 はあ、と溜め息を吐いて脱力した。 「いつも二人そんな感じなの?」
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