第1話

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「それはさすがに無理!」 「いいだろ別に!」 「無理だ店が破綻する!」 さっきまでのうじうじは何処へ行った。 敬語などとっくに止めた。「敬語急になくなったねぇ」とは言われたが、店長は気にした様子もないのでそれに甘える。 「高校生云々じゃなく時給1500円はうちじゃ無理!」 「じゃあ1499円」 「変わらないよ!というか半端!せめて900円!」 「ここでバイトしてくれるならどんな条件付きでもいいっていうのは嘘か。嘘をつく人は嫌いです」 「突然敬語になるのやめて!」 この人本当はこういうはっちゃけた、いじられキャラなんだろうな。少し楽しい。 「せ、せめて950…」 しおしおと心なしか小さくなった彼が本当に困った様子だったから、980円で妥協してやった。俺だってそこまで鬼じゃない。 唸り声が聞こえた気がしたがきっと気のせいだ。
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