蛙鳴蝉噪

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山々が紅葉を迎え始めた秋、城では様々な行事が行われた。 「…これで最後……やっとだ…」 「ふふ、お疲れ様灯真」 「あけ…兄上はこんなに多くの行事をこなしてたとは…甘く見てました…」 「…きっと、これから煩くなるのは世継ぎのことだよ」 笑っていた優真が儚げに、申し訳なさそうに灯真に伝えると、灯真本人は唸った。 「まだ一年も経ってないのに…流石に早い気がするんだよなぁ…せめて俺が三十路とかになれば、考えなきゃならないですけど…まだ十代ですし…」 「そうだね、家臣団の中には早々の世継ぎを求めるのもいるから…気をつけて?」 優真の忠告を受け、灯真は頷くと死要に呼ばれ退出した。
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