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「それで、誘惑するボクの名前は?」
「みきひと……たしか花村幹人だ」
紙ナプキンに南が几帳面な字で
名前を書く。
「幹人――ミキちゃんか」
パーティーのゲストに
酒を引っ掛けるような悪戯っ子。
「面白い」
指先でなぞってそっと口づける。
「俺が教えてやる――学校じゃ教えてくれないこと、全部」
――翌日の午後18時。
代わりに花村家へ行く約束をして
俺は南と別れた。
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