温故知新の巻

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「…ありがとう。わっ!?もうすぐで学校に行かなきゃ」 時計を見るなり、制服をハンガーから外した。 「学校?」 総司は不思議そうな顔をした。 「江戸時代で言う寺子屋みたいな感じかな?」 驚いた顔をする総司。 「もうすぐ成人なのに寺子屋に行ってるのか?」 100年の偉大さを感じる。 「あ…現代は20歳から成人なんだよ。寺子屋イコール学校は7歳から22歳まで通って、7歳から12歳は小学校。13歳から15歳は中学校。16歳から18歳は高校。19歳から22歳までが大学に通うんだよ。」 総司は、納得したように顔を晴らして小中大かと笑った。 「と言うことは、杏奈は中学校と言うものに通っているんだな?」 「うん。あと、着替えなきゃいけないから1階に居てくれるかな?」 総司は興味津々に私の抱える制服を見た。 「分かった。あと、学校と言うものに行く時はその服に着替えるのか?」 無邪気な総司を見ると、歴史の参考書に載っていた真剣な表情とは似ても似つかない。 「うん。」 「では」 ドアを開けて、出て行った。
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