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「ここはどこなんだ?」
男は完全にパニック状態で、私の顔を見るなり訪ねてくる。
「ここは私の部屋っていうか…あなた沖田総司!?」
その男の顔は、切れ長の目にキリッとした眉毛に浅黒い肌の端正な顔立ちをしていて、そう。さっき見た夢に出てきた沖田総司と名乗った男だった。
「そう、先ほども名乗ったではないか」
やっぱり、沖田総司だ…
「あなた、私の夢に出てきましたよね?」
夢が現実になっちゃったの?
「夢?よく分からんが、其方が道端で倒れていたらしく、私が寝ていた近藤の妾の家まで近藤が運んだらしい。そしたら其方は何かに目覚めたように急ぎだして、隣で寝ていた僕の手を引いてここへ連れてきたじゃないか」
「夢じゃないってこと?本当に私達はタイムスリップしちゃったの?」
本人かどうかもう一度確かめるために歴史の参考書を開いた。
「えーっと、何ページだっけ…」
歴史上人物一覧のページを開いた。
どこだ沖田総司…沖田総司…
「あった!…って、沖田総司の写真が消えてる!」
そこには、綺麗に人型に沖田総司の写真が切り取られて無くなっていた。
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