第2話～高校生編～

◇待ち人◆

暗くてよかった。

私の顔、今、赤いと思うから。

「…でも、よかったです」

「は?」

「だって私、約束は今日じゃなかったのか?とか、約束をすっぽかされたんじゃないか?　とか……。　いろいろな想像をしてしまって…」　

最初は明るく飛び跳ねるように言ったはずなのに、

「それぐらいなら…いいけど、事故…とか……」

話しているうちにだんだん涙声になってきた。

待ちぼうけを食らった理由がわかり、安堵したからというのもある。

「そう…したら、どう…しようって思っ…ちゃってました」

まずい、こらえなきゃ。　

ここで泣いたりなんかしたら、すっごい迷惑な女じゃん。