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「一体いつまで俺のこと待つつもりだった?」
「…えっ」
それは、自分でもわからない。なので、口をもごもごさせることしかできない。
「そ、そうですね…」
先輩の顔を盗み見ると、すごい目力でじっと私を見ている。
まるで威嚇されてるみたい。
たまらなくなり、目線を下へ逸らした。
「適当な時間で、帰るつもりでした…けど」
すさまじい迫力だ。
でも、どうして……
「―――あのさ、明日、明後日はバイトなんだけど、金曜日の西高祭に来るか?」
「え?」
今、私を誘ってくれた?
学校祭に誘ってくれた?
それだけのことがこんなに嬉しくて、胸がポワーッと温かくなった。
ぼーっとしてる場合じゃないのは重々承知なのだけど、つい桜木先輩をじっと見つめ返す。
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