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先輩の姿が見えなくなり、自分の指先を唇にあて、さっきの事故みたいな出来事について考える。
どういう気持ちでしたキスなのか、私にとってはよくわからないキスだった。
私のことが好きでした行為とは違った風に感じた。
まるで、やけになってしたみたいな……
唇を重ねて近い存在になったはずなのに、逆にどんどん遠い存在になっている気がする。
おかしいかな、私。
こんなこと考えているなんて。
先輩が…、先輩の方から私に告白してくれたのに。
それなのに、なぜだかこんなに不安な気持ちになっているなんて。
カレカノの関係って、もっと楽しいものだと想像していたけど、実際はこんなに苦しい。
私の理想が強すぎたの?
両思いのはずなのに―――…
唇にぎゅっと力を入れ、噛み締める。
“付き合う”ってどういうことだろう?
そんな単純なことを、深く、大真面目に考えてしまった。
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