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「ねぇねぇ、どうだったの?」
…心配というよりは、にやにやしたその目は野次馬目的で来たというのが正しいかな。
特ダネに飛びつく記者の顔をしている。
そして、長話を聞く体制はばっちりといわんばかりにベッドに腰かけ、ブタうさぎのぬいぐるみをギュウっと抱いた。
「なあによその顔は? 楽しくなかったの?」
お姉ちゃんに今日の事を打ち明けて、どうしたらいいのかアドバイスが欲しい。
でも…
「そんなことないよ。この時間までずっと一緒だったんだよ? すごく、楽しかった。先輩は思っていた以上にすっごくいい人で…」
彼女と目線を合わせないようにわざと室内をあちらこちらへと忙しく立ち回る。
「あー、だけどごめん。 明日までの宿題あるし、また今度話す」
「へ?」
昨日とはうって変わってあまりにもあっさりした受け答えの妹に目をぱちくりさせ、ポカンとしている。
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