◇本音の告白◆

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何の関係もない姉妹を巻き込もうとしていた事実に直面し、しばし呆然として、足は地の底にくっついたまま動けなかった。   伊藤を責めることなどできない。後輩任せにして自分で調べなかった俺が悪いんだ。  何もかも、俺の責任だ。危うく罪を犯すところだった。  いや、すでに、舞を傷つけるようなことを…俺は…した。 だけど、罪の意識に苛まれるのと同時に、泣きたくなるような安堵感が広がったのも事実だ。 そして嬉しい。 正直、かなりほっとした。 本物の倉田唯が大野にした卑劣な行為は許せないことだ。 でも、新たなる復讐のことを考えると“そんなことはやめて”と言いたげな舞の悲しげな表情が脳裏に浮かぶ。
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