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忘れてないって、告白ゲームに負けた怒りをまだ、忘れていないという事……?
それとも、今もまだ、私は先輩に恨まれていて、仕返しの対象人物であるという事……?
どちらにしろ、私はあの時先輩の怒りをマックスにさせてしまった女なのだ。
そう考えると、私の事を忘れるはずがないのも当然だ。
先輩が目を細めた。
「こんなことなら、」
言葉を止め、顔を少し歪ませた後、続ける。
「あの時、抱いておけばよかった」
「…っ」
“あの時”って……?
あ…… もしかして西高祭でのことを言ってるの……?
たっぷりと、間を置いた後、
「…………続き、しよう」
私に向かって静かに告げて。
この状況もろとも、驚きすぎて。
“続きって何ですか”とは、怖くて聞けない。
聞かずともその先の意味をわかっているから。
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