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それにしても、直美は誰かつきあっている人がいると思っていたのだけど。 私の気のせいだったのか。
ぼんやり考えていた時、勉強机の上に置かれているクマのキーホルダーがクローズアップされて。
“彼女”を手にとり、優しく頭を撫でた。
(明日は空気の良いとこに連れて行ってあげるね)
大学生にもなってこんなことしてる私って子供っぽい。
でも、お守りの代わりだと思って旅行の時はいつもこの子を連れて行く。
サイドのチャックを開け、彼女を中へ入れようとした時、
「あ…」
よく見ると足の部分の布が少し黄ばんでいる。涙が落ちてしまったのだろうか……。
白の布地にシミを作って申し訳なく思い、その部分をすりすりとさすった。
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