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お金がどれだけかかってもいい。家に帰ろう。
タクシーをここに呼んでもらおう。
早くここから脱したい一心で足早で廊下を歩いている時、
「舞ちゃん…?」
後方から声をかけられて立ち止まり、ふり向くと鈴木先輩と笹田先輩がいた。
格好から察するに、これから温泉へ行こうとしている感じ。
「カバン持って、こんな時間にどこ行くの?」
「…………」
笹田先輩の問いかけに答えられず、目も合わせられない。
「……鈴木、悪い、先に行ってて」
両先輩は私の異変をすぐに見て取ったようだった。
「ああ」
鈴木先輩は一人、立ち去って。
笹田先輩は二歩程私の方へ近づいた。
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