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Side 倉田舞
断ち切れない思いをふりきるように走って家の中へ入った。
好都合な事に両親は仕事で、お姉ちゃんもバイトみたいで誰もいない。
部屋に入って荷物を置き、すぐに浴室へと向かい、シャワーを浴びた。
すごく親切にしてもらったのに、笹田先輩に散々迷惑をかけただけの自分が嫌になる。
気持ちに応えられなかったことも心苦しい。
“友達から”と言われて、誠実な彼の申し出に心が全く揺らがなかったわけではない。
だけど、OKしてしまえば、笹田先輩はきっと期待をしてしまう。
もっともっと、と望んでしまうと思う。私が桜木先輩に対してそうだったように……。
そうなった時、自分は彼の気持ちに応える事ができるだろうか…?
そこで私に拒絶されたら、笹田先輩はどれだけ傷つくだろう。
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