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桜木先輩を忘れる為に、笹田先輩を利用するようなことなどできない。
そう思って、断ったけど。
私、真面目に考え過ぎなのかな……
なぜだか突然、
“俺は好きでもない女とはキスしない。…昔も、そして今も”
昨晩の桜木先輩の言葉が浮かび上がってきた。
“舞、俺は―――…”
先輩は……
あの後、一体何を言おうとしていたのだろう?
でも、
私の脳内には桜木先輩が晶先輩を抱くシーンが鮮明に刻まれていて、淡い期待と希望をすぐに打ち砕く。
もう、何も考えたくない。 ただただ、忘れてしまいたい。
昨日のことも、三年前のことも、桜木先輩に関することは全て。
今すぐ、記憶を消してしまいたい。 全てを忘れたい。
そんな都合のよいことができるはずもないことくらい、わかっているくせに。
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