第1章

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最近俺には気になって仕方ない奴がいる。 ウチのお店のバイトの「長谷川くん」 そう、俺は男性を愛してしまったのだ… 正直この気持ちに気付いた時にはもう、これ以上ない程トチ狂ったし認めたくないから意味もなく手当たり次第女性を抱いてごまかしたりもした。 だけど俺の長谷川くんへの気持ちは本物だった。 長谷川くんがバイトに入ってる日は、乙女全開でソワソワしたり… 長谷川くんの仕事姿にドキドキしたり… もう1日中、長谷川くん…長谷川くん… あぁーッッ!!もう長谷川くんフィーバーで頭パンクするっつうの!! こんな毎日が始まり…今日で3ヶ月経ちました… 「佐伯さん、これこの前借りた軍手ありがとうございました!!」 「あ、そんなの捨ててくれて良かったのに!!わざわざ律儀だな!!長谷川くんは!!」 「いえいえ、人から借りたもんですから」 長谷川くんは…物凄くクールな子なのです。 会話も基本仕事以外はこっちがふった話に相づち打つくらいなもんで、最低限の会話しかしてくれません… でも仕事って本来そうじゃなくちゃね!! 真面目な好青年な長谷川くん!! 「あぁ、そうだぁ…長谷川くんさぁ。来週の飲み会今回こそは来れないの?」 「あぁ…そうっすね…どうですかね…まだ未定にしといてもらえますか?」 「一度も出てないしさ!!なるべく今回こそは参加方向で考えてほしいかなぁ~。」 「了解です。」 長谷川くんは必要最低限の会話しかしない上に、必要最低限の付き合いもモチロンしません… これじゃ長谷川くんと親睦を深めることも出来ないから、まったく!!全然!!アタックも出来ないのです。 長谷川くんと付き合えなくてもいい…わけではないけど、まずはもう少し仲良くなりたいもんなんですが…前途多難ってやつです。 そんな長谷川くんですが、仕入れた情報ではお酒が好きで結構イケる口とのこと。 だから飲み会を必要以上に開いては誘うも全て撃沈…今回こそは参加してもらいたいもんです。
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