第1章

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それから仕事のある、月曜~土曜は毎日長谷川くんへの友弁作りが始まった。 長谷川くんは本当好き嫌いがないようで、聞いても思い当たらないような返答だったから、何でも作ってみた。 長谷川くんは毎日俺の弁当を残さず綺麗にたいらげては、神に祈るかのように手を合わせ「ごちそうさまでした。」とすっげー可愛いハニカミ笑顔で言ってくれる。 それだけで俺は幸せ~なんて思っていたけど、ここ何日か何かがおかしい。 月曜~土曜は俺の至福のランチタイム。 のっはずが… 何処から漏れたのか、俺が料理上手で弁当という試作品を持ってきてると噂が広まり、どいつもこいつも勝手に俺達の愛の巣(事務所)に勝手に紛れ込んでは、長谷川くんの弁当をつまみ食いしやがる始末!! 我慢ならなくなった俺は… 運動会の弁当のように重箱仕様でみんなにも作ってくるようになってしまった… 俺…長谷川くんに喜んで貰うのはもちろん!!嬉しいし、それが第一目的だけど… 本気で料理にハマってしまった… 沢山作るのも苦にならないもん… そんなこんなで週に2回ぐらいその他モロモロさん達も交ざってランチタイムになってしまってる。 「はぁ~、食った!!食った。ごっそうさん。」 「っだよ!!寺田!!テメー!!もっと綺麗に食えっつうんだよ!!」 「はぁ?残さず食ってんだろーが!!」 「ちっげーよ!!ほら!米粒!!こうゆうのだよ!!」 「は?お前は俺のかぁちゃんかよ…そんなん子供の頃かぁちゃんに言われた以来の記憶ねーよ。」 「ったくよ、お前は子供の頃からこうなのか。大人になってからも言われるとかダメな大人ぁ~。」 「うっせぇな、小姑!!みんなこんなもんだろ!!」 「いいやッッ!!違いますぅー!!長谷川くんは…ほら!この通りこんな綺麗に食べるんですぅ!!」 「長谷川が良く出来すぎた子なだけだ」 「あっ、大人げねー!!」 「ってか、うまい、うまいって残さず食ってんだし、そもそもお前が料理ハマって作りすぎなのを俺達に片付けさせてんだろ?」 (ちっげーし!!仕方ないからそうゆうことにしてるだけだ!!本来ならお前らなんかにゃ作らん!!) 「に、してもだ。料理を作ってくれる人がいなきゃ1つ1つの食材をまんま食うことになるんだぞ。だからいくら残飯処理でも、感謝するべきとこはあんたろーが!!」 「めんどくせぇ、そうゆう女俺パスだわぁ。」 「は!?俺は男だ!!」 「知ってるよ…例えて言ってみただけ。」
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