第1章

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OLの花子。 営業事務。勤続10年。 今朝の花子は、ルンルン。 OLファッション誌を開けばぜったい載ってるあのブランドの洋服を着てるから。 ボーナス一括払いで買っちゃったのだ。 花子がファンの、お洒落~なモデルが着ていたフレアスカートと、ニット。 モデルみたいには着こなせないけどそれなりに似合ってる。(と、花子は思ってる) 会社にこの服着ていったら、 女子の眼も釘付けなはず。 花子さん、お洒落だわー。今年の秋冬トレンド、しっかりキャッチしてる~!と思われる子と、間違いなし! 男性の眼も釘付けなはず。 花子さん、ふんわりスカートで女らしいなぁ。あんなに可愛かったかな?なんて思われそう。 ルンルンルーン♪ 「おはようございまーす」 オフィスに入ってまず花子が目に入ったのは、羨望の目をむける、自分に釘付けの女子の視線でも男性の視線でもなかった。 まったく同じじゃん! ブス、太っちょ、性格ひんまがっちゃってるあの女と、かぶってる! フレアスカートもニットも、同じじゃん! 呆然として、口をあんぐり開ける花子さん。 その花子さんを、ぶすーっとした顔であの女が見ている……。 気合い入れて奮発して買った服に限って、誰かとかぶっちゃう。 しかも、キライな女とかぶっちゃう! なーんてこと、ありませんか~?
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