最終話

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「なんだか、大変なことになってきてますね」 「ああ…」 季節は9月半ば。 大学の夏休みも今週末で終わる。 今日は舞のリクエストでいつもより少し遠出して他県の水族館へ行き、その周辺でゆっくり食事をした後で帰路についたわけだけが……。 暢気に食事してる間にとんでもない事態にはまってしまった。   道路の水かさがどんどん増し、くるぶしの上くらいまできてるだろうか……? 車から降りれば、靴の中はずぶ濡れ確実だ。 あきらめたように一人、また一人と車から降りて歩き出す姿が見える。 さっきよりもわずかに小降りになった今がチャンスと思ってのことだろう。 車が至る所、あちこちに乗り捨てられているなんて、生まれてこの方初めて見る光景だ。
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