最終話

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俺達も、もうこれ以上進むのは無理だ。さっきから殆ど進めてないも同然の動きだし……。  これはもう、思い切って乗り捨てて行くしかない。  でも、この状況じゃ電車もタクシーも無理だ。 自宅までの帰りの手段が見つからない。  …と、なると、どこかで一泊ということになるわけだが…………。 どうしたものかな……。 考えあぐねていると、舞が小さく震えるような一呼吸を吐き出したのが聞こえた。 「――先輩―――…」 「うん?」 「―――…泊まって、いきましょう」 まさか、舞の口からその言葉が出てくるとは思わなくて、俺は勢いよく彼女の方を見た。 だけど、ハンドルを握ったまま次の言葉が浮かばない。
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