第3章 来たれ体育祭

6/18

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
会長に向かって脳内で知識の及ぶ限りの悪口を言いまくっていると、椎名さんが麗しい唇を開きました。 「君が噂の山田くんとやらか……初めましてだな。話は兼々会長から聞いていたよ。どんな人か私も興味があったんだが、なるほど。確かに会長が重宝していたくなる気持ちが分かった気がするな」 あれ、自分会長に重宝されてたっけ?? 割りと雑に扱われていた思い出です。 「これからよろしく、山田」 宝塚チックに挨拶してくれた椎名さん。なんとなくどんな人なのか掴めた気がします。 「こちらこそよろちくb……あ、げふんげふん、よろしくです」 あッッッッぶねええええぇぇぇぇ!! 普段の家での口癖がこんなところで暴走するとは!! 第一印象最悪になるところでしたね!! 「よし! じゃあ二人の自己紹介が済んだことだし早速練習してもらいたいんだけど…………その人達は……」 会長が困った様子で椎名さんの背後辺りを漠然と見つめています。どうしたんでしょう? 椎名さんの守護神と見つめあっているんでしょうか? 「キャーー!! 椎名さんの体操服舐め回したいぃぃぃぃ!!!」 「その今お召しになられている体操服を私に洗濯させてください!! ぜひ!!」 「いいえ! この私に!! この私に洗濯させてください!! 決してやましいことになど使用致しませんから!!!」 「ちょちょいのちょいやでぇぇ!!!!」 なんで最後ジョイくん居るんすか。 とりあえず椎名さんのバックに居るファンの方々が邪魔っていうことですよね。酷いですよね、好きなものを好きって言っているのに邪魔なんて。まあもし自分が椎名さんの立場だったら邪魔過ぎて片っ端からぶっ飛ばしてるかもしれませんが。 そんなことを思っていると、会長がまたしても囁いてきました。 「山田くん…………悪いんだけどあの子達に自己紹介してくれない……?」 「え、自己紹介ですか?」 「うん……簡潔なので良いんだ。君の名前を強調気味に言ってくれれば良いんだ」 ??? 「??? はぁ……まあ、分かりました。善処します」 「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇいいいい!!!! 静まれぇぇぇぇぇぇぇいい!!!! 今から自己紹介しますから静まれぇぇぇぇぇぇぇいい!!!!」
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加