第3章 来たれ体育祭

7/18

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「あ、突然大きな声だしてすいません。今から自己紹介するのでご静聴頂けたら幸いと自分思ってます。えっと…………ゴホン、名前はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 平凡な山田とぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!! ちょいちょい聞き返される真廣でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!! 合わせて幸せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ、山田真廣でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇすぅぅ!!」 ふぅ。 「…………あ、あと代表生徒もやってます」 とりあえずやってみました。正解が分からなかったのでやけくそでやったんですけど、とりあえずこれで良かったんですかね? そんな心配をしていると、さっきまで黄色い声でうるさかった辺りがうってかわって静まり返っています。しかしそれも束の間、辺りはざわざわし始めました。 「「「ざわざわ………ざわざわ……」」」 会長が近づいてきました。 「ねえ、昔さ、ざわわ、ざわわ、ざわわ~、風が通り抜けるだけ~♪ みたいな歌無かった?」 知らねえよ。なんだこいつ。 「う、うそ…………あの山田くん…………?」 「そんな…………あの伝説と語り継がれる……や、山田くんが……」 「ほぼ行事に参加してこなかった山田くんが…………体操服を着て………私の前に立ってる?」 なんでしょう、嫌な予感がします。 「や、山田くんよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「山田くんが動いてるわ!!!! 生!! 生の山田くんよ!!」 むむむ!? なんですかこの反応は! まるで自分が未確認生物みたいじゃないですか! 自分はちゃんと去年も体育祭に参加して………… 参加して………… …………。 てへぺろ(ゝω・´★) 「はいはーい、静かに。そんな訳でせっかく山田くんがやる気になって体育祭に出場するから、皆は優しく見守っててあげてねー」 そう言いながら会長が椎名さんの取り巻き団を遠くへ誘導していきます。みんなまだ狐に包まれたような様子で、ポカーンとしながらされるがままに誘導されていきます。 自分てそんなにサボり魔として有名だったんですか? 結構ショックですよ。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加