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そんな三秒後には忘れていそうな決心を抱いていると、遠くから会長が戻ってきました。どうやら椎名さんの親衛隊的な女の子達との激戦から無事帰還されたご様子です。
「おーい、お待たせー」
あ? 全然待ってねぇよ? って突っ込みたい欲が止まりませんが、けれどもけれどもそこをグッと堪える世渡り上手な山田くんです。
それに会長はなんやかんやで地味で大変な仕事を率先してやってくれますからね。今だって涼しい顔して場を落ち着かせてくれましたし。感謝しなくてはですね!
「ふぅ、女の子達に囲まれていい匂いだった!!」
……か、感謝しなくては!
「いやー、最近の女の子って身体の発達が健康的だね。男子として健全な気持ちを抱かずにはいられないよ」
か、感謝………しなくては……
「しかも体育着っていうのがまた良いよね。グッとくる。グッと血液が僕の身体の一ヶ所に集まってくるのを感じるよ」
……………………か、感s
「なんだかムラムラしてきた!!」
あ、もしもしお巡りさんですか? ちょっと不審者が居るんでパトカー一台早急にお願いします。
「ていう冗談は置いといて」
冗談でも許されねえっすよ!? ねえ俺の右見て!? 椎名さん!! 女の子が居るんですよ!? この雰囲気どうしてくれるんですか!? 家族でリビングに居たときに壇蜜が出てきた時のソワソワ感の比じゃないっすよ!? あんた下ネタキャラじゃないでしょうが!!
「お二人の話し合いの進捗どんな感じ? なんなら他のメンバーくる前にもう練習始めちゃってもいいんだけど」
気まずい空気なのに、会長は普通に話を進めていきます。もうてめえはなにも喋るなって言いたい。
「それなら山田には裏山まで走ってきてもらおうと思っています」
ピュアチェリーボーイこと山田くんが心の中で気まずさとこんにちはしていると、超普通に椎名さんが返答しました。
あれ、気にしてんの自分だけ?
「裏山? どうしてそうなったのか興味深いけど、ここから裏山って言っても一駅分ぐらいはあるよ? ぶっちゃけあれ裏山では無いしね」
会長が更に答えます。
「はい、それも含めてトレーニングしてもらいます。二人三脚の練習をするのは山田に基礎体力がついてからにしようと思います」
じゃあ三、いや五年後ぐらいですかね、練習始められるの。
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