第4章 行きますよー

2/6

51人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
結局沢村さんに追い付くことは出来ませんでした。あの人速すぎです。どこ行ったかも分かんないですし。 そんな訳で「あれ? 落ち着いて考えたら別に追い付く必要なくね?」という思考が俺の脳内をテロって来たので、そのままそっと追い付くことを断念して彼女を放置してきました。 てか、あの人登校しなくていいんすかね? 「いらっしゃいませー」 そんなこんなでコンビニに到着しました。休み休み走ってたんで汗の方々には皮膚への出演を控えていただいているんですが、まだ夏本番では無いというのにコンビニ内がクーラーガンガンでちょっとひんやりします。 雑誌でも読んで時間潰してますか。 週の始まりということもあって、新刊の週刊雑誌が山積みにされています。その一つを手に取り、パラパラと捲っていき、自分の目当ての場所で手を止め、ゆっくりと読み耽っていきます。 ふむふむ、先週と全く同じ内容ですね。知らぬ間に自分はタイムスリップしてしまったんでしょうか? と思ったら2週合併号かよ。俺のワクワクを返せちくしょう。 「おい、何をしている?」 来週までになにかめんどくさいことは…………あ、今週末に体育祭がある! それを乗り越えなくちゃ来週の分を読めないのか……! 「おい、聞こえているのか?」 くそっ、先週1週間これを楽しみに頑張ってきたのに……! 「無視か? 君は意外と度胸があるな」 もう神様のバカ! 酷いよ……こんなのって無いよ……!! 「あー、体育祭めんどくせぇ。練習もめんどくせぇ。サボりて椎名さんこんにちは。今日はやっぱりいい天気ですよね。あー、なんか急にやる気出てきたなー。え? めんどくさいって今言っただろって? あはは、そんなわけ無いじゃないですか! だって自分練習大好きですもん! 毎日練習してたいぐらいですもん! あー、こんなとこでじっとしてられないっすね! うし、早速練習再開してきまカハッ!」 振り返ったら悪魔が居ました。逃げようとしたら襟元を掴まれました。窒息するかと思いました。いや、いっそ窒息して死んだほうがマシだと思いました。 そのぐらいに恐かったです。 「そうか、そんなに練習が好きか…………それなら百キ「ごめんなさい!」…………練習したいなら百キ「ごめんなさい!!」…………百キ「ごめんなさい!!」………………おい、最後まで言わせろ」 嫌です。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加