第1章 始まり

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なぜだかかなりの美少女を前に緊張感に欠けます。ちょっと今の発言が衝撃的だったのか、はたまた彼女が衝撃的な程に綺麗すぎるのかは分かりません。 「知らないて言ったら……笑いますか?」 笑わないでしょうええ笑う訳ありません。たかだか一生徒を知らないだけです。 「笑う!!」 笑うみたいです。 「ええ!? 本当に私のこと知らないの!? あの学園人気投票で一位に輝いたアイドル的存在の綺菜麗奈(あやなれな)だよ!?!?」 す、すごいナルシストさんですね……。言われてみれば聞いたことあるような無いような。というよりそんな人気投票なんかこの高校にもあったんですね。 「すみません……なんとなく有名な方なのは分かったんですけど……」 すると彼女はほっぺをぷーと膨らませました。ちょっと初めての事態で何がしたいのか分かんないです。 「もう……はいはい分かりました。山川……じゃない、山田くんはこのスーパー美少女の私を知らないんですね。理解しました!」 なぜか怒ってしまいました。ど、どうすればええんやろか……。 「それで、あなたのお名前は? 山田なんなのか言ってみなさいよ? 山田マイケルかしら?」 全国のマイケルの皆さんすみません。そんなダサい名前では無いのです。 「山田真廣です。ぱっと言われると女の子ぽく思われるのがちょっと恥ずかしいのですが」 『まひろ』て………うちのオカンとオトンは何を思ってまひろなんて血迷ったんですか……! 怒ってやりたいです。 「山田……真廣…………?」 何故でしょう、彼女は自分の名前を噛み砕くように呟いています。「女の子みたい……」て言われたらどうしましょう。 「……そう、あなたがあの…………」 なにかぼそぼそ言っています。さっきまでの傲慢ぶりはどこへやら、急にシリアスチックになにかを考えています。凄いですね、美少女って考える様までこんなにも絵になるんですね。 「ま、まあ確かに…………カッコいい……………かも」 一転、顔がほのかに赤くなりました。どうしたんでしょう、さすがに熱では無いと思うので見間違いですかね……。 観察してて飽きない方です。 「ふん! なによ! ちょぉっと女の子達に騒がれてるからって調子に乗ってるのね!? 良いわ、痛い目見せてあげる。私と勝負よ! 勝負しなさい!」
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