第2章 青春の宣戦布告

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「急に学年集会ってなんだろうね?」 日は1日経過し次の平日。本日なぜだか臨時の学年集会が行われるということで、自分たちは体育館にぞろぞろと移動している次第であります。 あ、ちなみに隣にいるこいつは自分の妹である山田真理(やまだまこと)。可哀想なことにこいつも名前が『まこと』という男っぽい名前を頂戴している訳ですが、それなりに男子から人気があるみたいです。 「さあ。保険医のおばさんと事務のハゲジジイがこの度結婚したとか」 「もう……お兄ちゃんてば」 呆れたように俺の脇腹をつついてきます。軽い冗談を言っただけなのにこんなにも妹から呆れられるとは。あと脇腹痛い。 そんな感じで結構な人数が体育館に集まってきました。やはり一学年だけでも結構な人数がこの学園に属しているので、見渡すと初めて見るような顔をちらほら伺えます。そんな人達も含めて各々イマイチ今回の集会の意図を掴めておらず、みんなどこかふわふわしているみたいです。いったい全体何が行われるんでしょうか? 「ねえ、何が起こるんだろうね?」 全二年生が集まりそれなりに静まり返った雰囲気の中、後ろから妹が背中をつついてきました。そんなこと聞かれても分からないのでとりあえず無視して前だけ見てますかね。 「あ、無視してる」 これも無視です。 「皆さん、本日は大変お日柄もよく!!」 突如、舞台に上がった一人の女子生徒の声がマイク越しに響きました。しーんとした館内に響くその若干区切りどころに突っ込みたくなる声の発生源に、みんなが視線をぶつけています。 あれ……? あの人……。 「ご挨拶が遅れました。この度二年代表生徒に選ばれた綺菜麗奈です!!」 むしろベストタイミングで自己紹介をしたのは、言わずと知れた学園人気投票第一位の綺菜麗奈本人でした。あの人はあそこで何をしてるんでしょうか? 「え、綺菜さんじゃん」 後ろから妹の呟きが聞こえました。やっぱり有名人なんですね、あの人。 「えー、ごほんごほん、てすてす、マイクのテスト中」 なぜ今なんでしょう? 「えー、今回皆さんにお集まり頂きましたのは他でもありません。体育祭についてです!!」 全員きょとんとしています。無理も無いです、突然の展開に加えてまだ体育祭までは日がありますから。 それでも構わず彼女は続けます。
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