第2章 青春の宣戦布告

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「そろそろ体育祭についての出場種目や実行委員の決定が各クラスで為されると思いますが、今年度は障害物リレーに生徒会が出場します」 生徒会と言われると、あのふざけた会長を瞬時に連想してしまいます。あの人は運動できるほうでしたかな? あんまりそのイメージは無いですね。 「それに伴い、毎度のことながら代表生徒も生徒会チームの一員としてもちろんリレーに出場します!」 ………え? な、なんて……? 「しかし私は今回二年生の代表生徒として、二年有志チームのキャプテンとしてリレーに参加します。つまりこの競技に限って言えば、私は生徒会と敵対するということになります」 ああ散らかってる……色んな情報が散らかりすぎてて頭がついていかない……なにがなんのこっちゃ状態です。 「皆さん、生徒会と言われれば当然あの生徒会長を思い出しますよね?」 あ、すげえ同意できるところが急に来ました。 「皆さん、思い出してください。自分の立場を利用してやりたい放題、いつもあぐらで私達の努力を上から見下ろし嘲るあの男のことを。怒りが込み上げて来ませんか? こてんぱにやっつけてやりたいとは思いませんか!?」 説得力100%の言葉で、彼女は目を輝かせながら自分等を煽ってきます。彼女の言葉に、事態についていけないながらも皆が関心を惹かれていきます。なぜだか嫌な予感がしてきました。 なぜでしょう。 「そこで私は提案します! 最強の二年有志チームを作って生徒会を完膚無きまでに叩きのめしてやりましょう!」 ああ……なるほどですね。すべて綺麗に繋がってしまいました。そうか、そう言うことだったんですね。勿体ぶってても意味無いんで説明すると、彼女は最強チームを編成して生徒会チーム、正確に言うと生徒会チームとして出場する自分に勝ちたい、というところですかね……ほー……なるほど…… なるほどなるほど…… …………。 ぬわわわーん!!!!????!?!? へ!? そもそも勝負なんてマジでやりおるんですか!? それもこんな大事に!? 負けたらなんでしたっけ負けたらなんでしたっけえーーっとああそうだ相手になんでも命令出来るんでしたそうでしたそれだけの為に全力で自分に勝ちに来るんですね!? 今の発言全てが自分への宣戦布告だと仰るんですね!? なんという……なんという鬼畜の極み……。全力で逃げ道を探すだけでございます。
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