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「記憶にない…」
一は麻海に視線を送られ、正直な答えを口にした。
「当たりめぇじゃん。この間電車で俺が一方的にちらっと見ただけだもん。」
二人はポカンと口を開ける。
「…まさかこの間言ってた“すげぇカッコイイ人”って…」
「そぉ!この人!!まさか麻海の彼氏だったなんてなぁ。うん、乾杯だわ。」
彰は腕を組み、うん、うんと一人で納得している。
「だからいい人って前から言ってるじゃん。あっ、一、この人が前に私に告白してくれた宮内彰だよ。」
「おい、そんなこといちいち報告してんのかよっ!!…まぁ、いいや。宮内彰っス。育ちは悪ぃけど、今は一応健全にやってます。とりあえずよろしくっス。」
彰は一に握手を求めて手を差し出す。
「結城一です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
一は差し出された手をとり握手する。
「あ、やってくか?フットサル。今ちょうど人数足りねぇし。」
「やるっ!!あ…」
元気よく返事をした麻海だったが、一がいたことを思い出し一を見る。
「俺はいいよ?」
一は笑顔で答える。
「ホントに?」
「うん。麻海のプレーも見てみたいし、映画はいつでも見れるからね。それに、麻海が楽しいなら俺はそれでいいから。」
一はどこまでも優しい。
麻海は今日はそれに甘えることにした。
「ありがとう。じゃあ一も一緒にやろっ!きっと楽しい!」
「えっ、あ、うん。」
一は麻海にひかれるがまま、フットサルコートへ向かった。
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