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「俺出来ないし、ここで見てるよ。」
一はコートにはいると、近くにあったベンチを指差してそう告げる。
「え?でも、それじゃ一が暇になっちゃうし、それに男の子ばっかり…」
麻海は申し訳なさそうに言うと帰ろうか、と一度地面においた鞄をを再び持ち上げる。
「カッコ悪いとこ見せたくないし、男の子は大丈夫。麻海を信じてるから。楽しんどいで。」
「でも…」
「ほら呼んでるよ。」
彰に呼ばれているのは麻海も気付いていたが、正直な話麻海には一の方が大事なのだ。
だから無視していたのに、一はそう言いながら麻海を回れ右させると背中を押す。
「寂しかったら呼んでね?」
「寂しくないって。」
一は笑いながら麻海の頭を撫でる。
「行って来ます。」
「行ってらっしゃい。」
一はひらひらと手を振る。
(一、怒ってるかなぁ…?)
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