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「ゴール!!」
決めたのはFWの麻海。
普段はサッカー部のマネージャーとして活躍しているが、実際はキャプテンの彰にも勝るとも劣らぬ実力の持ち主だった。
麻海はゴールを決めると、ベンチに座っている一にピースサインを送った。
一もピースを返す。
「彼氏がいるからってカッコつけんなよ!」
彰は麻海の頭をペチと叩く。
麻海は痛くはないのだろうが頭を押さえながら何か反論をしている。
一とは言い合いなどしないため、絶対にない光景だった。
(麻海にはあっちのがあってる気がする…)
一はそう考えて、ふと我にかえる。
(そんなの関係ない。俺は麻海を信じるって誓ったんだ。麻海だって俺を信じてくれてる。俺も1番に麻海を信じなきゃ。)
「一!どぉだった?」
気付けば麻海はそばに来ていた。
どうやらハーフタイムらしい。
「ここまで麻海がうまいとは思わなかった。」
「ヘへ、私負けないよ!」
麻海は一の隣に座る。
「暇じゃない?」
「別に。フットサル見るの初めてで、なんか新鮮で楽しい。」
素直にそう思った。
楽しそうな麻海を見ると、自分も楽しくなる。
恋は不思議だと、一は改めて感じた。
「後半は一も出てね!点差開いてるし、一緒にやりたい。」
「下手だよ?」
一は麻海の言葉に驚きつつも返事を返す。
「平気よ。ただの遊びだもん。みんな入りなよって言ってくれてるし。」
「…じゃあ少しだけ。」
「やったぁ♪」
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