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 小鳥が見えなくなるまで 見送っていた老人は 再び土管に潜り込むと、 温かそうなスウェットスーツから、 ジーパンにセーター、ジャンパーという カジュアルな恰好に着替えて出てきた。 キョロキョロと 注意深く辺りを見まわし、 街の方へ向けて歩き出した。 「おい、着替えたぞ」アキラが言った。 「ただのホームレスじゃなさそうだな」 と、マナブ。 「ちょっと土管を覗いてみようぜ。 何かあるかも知れないぜ」 ヒロシの提案に、二人は頷いた。
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