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「お前は来るなよ。 あのじじいが戻ってこないか、 見張ってろ」 マナブは、 一歩遅れて後からついてくる ユウキに向かって言った。 ユウキはしぶしぶ、 老人が歩いていった方に向き直り、 三人が土管の中を覗き込むのを、 肩越しから盗み見た。 「なんだ、何もないじゃないか」 がっかりしたようにヒロシが言う。 「おかしいな、あのじじい、 スウェットの上からGパンはいたのかなあ」 マナブが眼鏡を直しながら言った。 「あのじじいが戻ってくるのを待って、 皆でいじめてやろうぜ」 アキラの提案に、二人は意地悪そうに頷いた。
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