第1章

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よく雑誌とかで女性は危機的な状況を共にした男性を意識する、ってあるじゃないですか。 以前は僕もそういうの信じてたんですよね。 当時中学二年生だった僕には好きな子が居たんですよ。 とても可愛い子でね。 クリクリっとした目とか整った鼻筋と少しぷっくりとした唇とか。 あと僕より背が低くて躯も細くてね。 今にも儚く散ってしまいそうなそんな感じで本当に可愛いの。 ほっそりとした腕とかを見てるとね、抱きすくめたいなぁとか思ってね。 で、どうにかして気を引きたかったわけ。 さっきも言ったようにあの時の僕には雑誌とかクソ雑魚テレビの知識しかないからね。 どうしようかなと思って。 危機的な状況とかそんなにあるわけないじゃん。 だから昼夜問わずに考えて考えて。 三週間くらい経った頃かなぁ。 だったら危機的な状況、自分で作ればいいやんと思って。 自分でその子襲えばいいやん。 ね、そしたら危機的な状況にその子を追い込める上に○○卒業ですよ。 一石二鳥じゃない。 そんなこと考えてね。 あの頃は歪んでたんですね。 本当にしようと思えば出来たんじゃないかな。 してたらまともではないとおもうけどね今の生活とか人生そのものとか。 結局自分はそれだけの人間なんだなぁって思ってね。 まぁ今でもそこらへん歩いてる腰つきのいいねえちゃんとか凄く凝視しちゃうんだけどね。 ああ、そういえばその子ね。 今結婚してるんだって。 相手は二歳年上の銀行員だと。 ね、それ聞くと自分なにやってるんだろうねってなるよね。 だからさっき家からライターと灯油と大きめのハンケチ持ってきたの。 でもまさかなぁ娘さんが居たとはね。 まぁまぁ似てるかな。 君にはなんの感慨もないけどおじさん辛いの。 だから一緒に天国にいこうね。
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