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列車との接合をはたしたUJ21は、すべてのデーターを、管轄するOSに支配されている。まるでホンダのアシモだ。
「UJ21?ぼくはまだ君とわかりあえていないよ」
『リカイヲカクニンシマシタ』
「え?」
ぼくの言葉はとどいているのか、それはOS次第だ。信用していいのか、それはネラーの意見を参考にしなくちゃ。
照明がゆれる。パイプを通ったガス灯が、かちんと音を立てた。
「あ、キレイ」
『リカイヲカクニンシマシタ。シツレンデス』
「ええ?」
ぼくは驚いて、小麦色の帽子を落としてしまった。
「UJ21、それ、どういう意味?」
『ソレハ、ワタシノ、アイデス』
かたんことん。
かたんことん。
ガス灯の点灯夫が、「暗闇にしますよ」と、声をかけるなか、ぼくは母さんと父さんに、「この子、機械から自立するかな」と声をかけた。
「しないよ、おいで」
「するよ、おいで」
ぱっ
ガス点灯夫が言葉をシャットダウンした。ぼくはいじらしいおんなのひとになりたい。しおらしく、ハンカチを目に当て、マスカラを気にしたいのに、ガス点灯夫のせいで、なにもできない。
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