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あたしの目の前には、五月晴れに映える新緑。
色とりどりのお花に象られた花時計。
そして……。
真っ白なお馬さん一頭。
その下にひざまずく見知らぬ男性一人。
ブラックのジャケットに、ホワイトのアスコットタイという堅苦しくもジェントルな格好に身を固めたその人は、ブラックのハットを手にして、あたしに深紅のバラの花束を差し出した。
「岡崎沙耶さん、オレと付き合ってください」
ねえ、神様。
だからお願い。
ちゃんと反省しますから。
助けて、神様。
…………本当にはいらないの。
王子様なんてっ!!
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