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「よしっ、じゃあ沙耶ちゃんはここで降りて、花時計で待ってて」
「えっ、駐車場までついてくよ」
「いいって。すぐ行くから」
「んー、そう?」
大きな公園の入り口で車を停めたカンナさんは、さっさと行けというように手を振る。
いつまでそうしてたって仕方ないから、あたしはお言葉に甘えて先に車を降りた。
「んー、いい天気」
思わず口についてしまうほどの晴天に、両手をぐっと天に伸ばして、ぶらぶらと歩き始める。
今日はカンナさんに誘われて、ここまでやって来た。
たまには、陽を浴びてお茶しない? って。
この公園のテラスはなかなかオシャレらしい。
平日の午後の公園は、お天気も相まって、気分までのんびりとさせる。
青い芝生に小さい子どもたちが跳ねるように遊ぶのを見ながら、公園の中央にある大きな花時計に足を向けた。
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