2. 白馬の王子様

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カンナさんとわざわざ昼間に待ち合わせて出かけるなんて初めてだけど、平日の休みに特に予定もなかったあたしは、お誘いに乗って出かけてきたってわけ。 爽やかに広がる青空に、映えわたる木々の緑。 花時計の前に立つと、聞こえてくるのはパカッ、パカッという耳慣れない音。 燦々と降り注ぐ日の光の眩しさに思わず俯くと、その規則正しい音は、あたしの目の前でふいに止まった。 同時にあたしは真っ黒な陰に包まれる。 突然遮られた光にハッとしてその影の元を見上げれば、まず目に入ったのは、真っ白な馬。 そして、その上から人がサッと降り立った。 な、何!? 近い……。 ていうか、背高い……。 焦げ茶色の革のブーツに、白いタイトなパンツ、シャツもタイも白で、ジャケットは黒の乗馬服だ。 下から上へと視線をずらしていけば、見上げるほどの長身。 黒くて丸い帽子を外すと、ちょっと茶色がかった柔らかそうな髪が風に揺れた。 色白ですべすべの肌に、ちょっと垂れ気味の大きな瞳。 全体的に色素の薄そうな、透明感あふれたその男の人は、あたしを見つめて口を開いた。
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