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カサカサカサ……。
この音が聞こえると一気に緊張感が高まる。
あいつ――
G様のお出ましだ。
カサカサカサカサ。
風に吹かれて揺れるコンビニ袋とは明らかに異なる音だと、僕はどうして瞬時に判別できるのだろう。
いや、たぶん僕だけでなく人間ならたいていの人が分かるのだろう。
僕は今まで生きてきて、こいつを好きだという人に出会ったことがない。
警戒と緊張感がヒトの感覚をここまで鋭利にするのだ。
カサカサ。
どこだ?
どこにいる?
「うわっ!」
思わず声をあげてしまった。
僕の足の甲を横切りやがった。
この感触に一気に背筋が凍る。
なんて気味が悪いんだ。
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