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「うわぁ~、すっげー!
話には聞いてたけど、こんなに広くていっぱい展示されてるなんて!」
拓未はキラキラと瞳を輝かせて、キャッキャと歓喜の声をあげる。
「楽しそうだね、オタク君」
「そりゃそうだよ。なんたって歴戦のヒーローの勇姿が一同に集結する『宝映ヒーローフェスティバル』だもん!!
いままでも何年か一度にやっててさ、ずうっとまた開かれるのを待ってたんだよ~!」
拓未達は県内某所にある、大型イベントホールに来ていた。
ゴールデンウィーク中から開催されていた特撮ヒーローの博覧会が、今週で終了とあって、是が非でもと遠出してきたのだ。
普段は周囲の目を気にして趣味を隠している拓未だが、このような場所に来ると、嬉しくてついついはじけてしまう。
「・・・・・・そうなんだ」
拓未のエネルギーの凄まじさに、さすがの里倉もたじろぎ気味である。
無類のヒーロー好きである拓未は、そんなことは一切気にせず、目にする展示ひとつひとつに興奮しきっていた。
「あーホラこれ!『銀河刑事ジャべリン』のグングニル警視だ!!
変身前もこれがまた渋くてカッコいいんだよ~。
・・・・・・あ!こっちのは『極秘戦隊ドレンジャー』の変身アイテムの実物じゃん!!」
誰に聞かせるでもないウンチクを並べながら飛び回る拓未。
その後をゆっくりとついて来る里倉は、そのヒーロー達の人形やVTR、パネル展示の量に圧巻されながらも、珍しい品々に思わずうなる。
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