1 やってきましたヒーローフェス

2/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「うわぁ~、すっげー! 話には聞いてたけど、こんなに広くていっぱい展示されてるなんて!」  拓未はキラキラと瞳を輝かせて、キャッキャと歓喜の声をあげる。 「楽しそうだね、オタク君」 「そりゃそうだよ。なんたって歴戦のヒーローの勇姿が一同に集結する『宝映ヒーローフェスティバル』だもん!! いままでも何年か一度にやっててさ、ずうっとまた開かれるのを待ってたんだよ~!」  拓未達は県内某所にある、大型イベントホールに来ていた。 ゴールデンウィーク中から開催されていた特撮ヒーローの博覧会が、今週で終了とあって、是が非でもと遠出してきたのだ。  普段は周囲の目を気にして趣味を隠している拓未だが、このような場所に来ると、嬉しくてついついはじけてしまう。 「・・・・・・そうなんだ」  拓未のエネルギーの凄まじさに、さすがの里倉もたじろぎ気味である。 無類のヒーロー好きである拓未は、そんなことは一切気にせず、目にする展示ひとつひとつに興奮しきっていた。 「あーホラこれ!『銀河刑事ジャべリン』のグングニル警視だ!! 変身前もこれがまた渋くてカッコいいんだよ~。 ・・・・・・あ!こっちのは『極秘戦隊ドレンジャー』の変身アイテムの実物じゃん!!」  誰に聞かせるでもないウンチクを並べながら飛び回る拓未。 その後をゆっくりとついて来る里倉は、そのヒーロー達の人形やVTR、パネル展示の量に圧巻されながらも、珍しい品々に思わずうなる。image=488169481.jpg
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!