2 二人の『たくみ』

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「確かにいままでのコーナーとは、少し雰囲気が違うね」  いままで周って来た順路から分岐した別ホールでは、拓未がもっとも愛好するヒーローシリーズである『仮面ファイター』の展示が行われていた。 実寸台人形や当時の資料、原作漫画の原稿や開発中にお蔵入りした幻のキャラクター商品までが、ところ狭しと並べられている。 「ここは宝映ヒーローの代名詞『仮面ファイター』の誕生から各作品のストーリー、現在のシリーズに至るまでを網羅した、ファンには感涙もののコーナーなんだ!!」  暑苦しさ・・・・・・もとい積極性が格段に上がった『スーパー拓未』が、瞳に星を浮かべてひとり恍惚感に浸っている。  里倉は近くに展示された人形達をざっと見通し、あることに気付く。 「こうして見てみると、なんだか僕達ブレイフォースに、どことなく似ているような気がするな・・・・・・」 「だって、セントマーナは元々人の夢からできてるんだろう? きっと昔や今の子供たちの夢見た戦士のイメージが、里倉さんたちの世界にも反映されてきたんだよ」 「なるほど・・・・・・そう考えると、なかなか興味深いな」  そう言って里倉は頷くと、ふたたび展示を眺める。 けれども、10秒と経たないうちに、「あ、ファイター二号と十文字疾風だ!!」  言いたいことだけ言うと、拓未はまた展示に没頭して、ずんずんと先へ進んでしまう。 「・・・・・・やれやれ」  里倉は問題児を押しつけられた保父さんのような気持ちで、拓未の後を追った。
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