2 二人の『たくみ』

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「・・・・・・おかしいな、なんでファイター1号だけないんだろ?」  先程から一通り展示に目を通しているのに、1号だけ展示が行われていない。 拓未はそれが不思議でならなかった。  シリーズの中でも、初代はもっとも重要で特別な存在だ。 ファンの中でも1号の人気は絶大で、実際、拓未もそれが一番の楽しみだったのだが。  ぶらぶら探し歩いているうちに、拓未はすっかり里倉と離れてしまい、一人アトラクション用の小部屋にたどり着いた。  悪の組織の地下帝国を再現した部屋になっているようで、壁に竜のような怪物の頭を象った像とスイッチが設置されていた。 「・・・・・・ん?このスイッチを押すのか」  拓未がスイッチに手を伸ばすと、ほぼ同じタイミングで伸びてくる、小さな手が視界に入る。 「?」  手の伸びる方向に目をやると、4~5歳くらいの幼い子供が、じっとこちらを見つめていた。 「・・・・・・」 image=488292410.jpg
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