2人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・・・・おかしいな、なんでファイター1号だけないんだろ?」
先程から一通り展示に目を通しているのに、1号だけ展示が行われていない。
拓未はそれが不思議でならなかった。
シリーズの中でも、初代はもっとも重要で特別な存在だ。
ファンの中でも1号の人気は絶大で、実際、拓未もそれが一番の楽しみだったのだが。
ぶらぶら探し歩いているうちに、拓未はすっかり里倉と離れてしまい、一人アトラクション用の小部屋にたどり着いた。
悪の組織の地下帝国を再現した部屋になっているようで、壁に竜のような怪物の頭を象った像とスイッチが設置されていた。
「・・・・・・ん?このスイッチを押すのか」
拓未がスイッチに手を伸ばすと、ほぼ同じタイミングで伸びてくる、小さな手が視界に入る。
「?」
手の伸びる方向に目をやると、4~5歳くらいの幼い子供が、じっとこちらを見つめていた。
「・・・・・・」
最初のコメントを投稿しよう!