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お喋りに興じていたら開会時間になったらしい
正面を見て背筋を伸ばすと、緞帳が上がっていくのが見える
演壇には校長らしき淡いピンクのスーツを着たオバサンが立っている
オレたちへのテンプレな言葉を聞き流し、オバサンの退場を見送る
『続きまして、生徒会長より祝辞がございます』
司会の上級生の言葉に応えるように演壇に上がる人物に見覚えがあった
オレのタイを直してくれた上級生だ
(あの人、生徒会長だったのか…)
『新入生のみなさん、入学おめでとうございます。私は生徒会長の朱堂 莉々紗(すどう りりさ)です。当校では───』
校長、生徒会長の祝辞に続き、新入生総代の答辞とテンプレな入学式が終わり
窓口で手続きを済ませれば、任意参加のホームルームをして帰宅
オレたち4人はある程度空くまで待ってから行くことにした
「ねぇねぇ、要は何組?」
煉華がなぜか期待したような目で訊いてきた
「A組でした」
オレの答えを聞くと煉華は
「ナーカーマー!!」
と言ってオレを抱きついてきた
かなりのオーバーアクションな気がするがどうなのだろう
「私もA組です」
紫もすごく可愛らしい笑顔なので、こんなものなのかと納得しておく
「うぅぅ…、私はC組でした」 シクシク
と全員が同じクラスになれるわけではないし
彼女のわざとらしい泣き真似も、単に高校入学という人生で一度きりのイベントを楽しんでいるだけなのだ
ちなみに、この学校は1学年5クラスで1クラス20人
つまり100人が定員と少ないが、魔女の素質を持つ人間自体がそこまで多くはないため定員割れすることもある
今年の新入生は96人なのでA組が20人、残りB~E組が19人という具合に振り分けられている
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